狐は豚に貢ぎたい

露文徒の雑記

ロシア文学

プーシキン『スペードの女王』について

『スペードの女王』(Пикавая дама)はプーシキンの短編小説で1834年に雑誌『読書文庫』で発表されました。 これも『青銅の騎士』みたいなペテルブルグを舞台にした幻想的な話です。 あらすじ 工兵士官の主人公ゲルマンはいつも周りの士官たちがギャンブルをし…

チェルヌイシェフスキー「何をなすべきか」について

今回はニコライ・チェルヌイシェフスキーが1863年に獄中で執筆した「何をなすべきか」(原題:Что делать)です。 この作品は当時の青年たちや後の革命家たちに多く読まれ、レーニンの愛読書にもなったロシアでは重要な作品です。 長い話なのであらすじでは細か…

ゴーゴリ「鼻」について

1833年から1835年にかけて執筆され1836年に発表されたゴーゴリの「鼻」です。 これもまたゴーゴリらしいおかしな話です。 簡単なあらすじ ある日理髪師が朝食を食べようとパンを切ったところ中から鼻が出てきます。 理髪師はそれが常連客である八等官コワリ…

ゴーゴリ「外套」について

1842年出版のゴーゴリの「外套」(原題:Шинель)です。 これもそのうちどっかでレポートとかで自分が使うかもしれないのでここにメモっておきます。 この話は、ゴーゴリ作品で初めて読んだ作品で、それまで読んだトルストイ作品とかと違ってすごくおかしな話で…

トルストイ「光あるうちに光の中を歩め」について

トルストイの「光あるうちに光の中を歩め」(執筆時期不明、原題:ходите в свете пока есть свет)は、キリスト教の説話的な話で僕は割と好きな作品です。 簡単なあらすじ 舞台は原始キリスト教時代の古代ローマ。キリスト教がまだ異教だった時代です。 主人公…

プーシキン「大尉の娘」について

今回は1836年発表のプーシキンの小説「大尉の娘」(原題 : Капитанская дочка)です。 これは宝塚の「黒い瞳」ってやつですね。 「オネーギン」は韻文小説でしたけどこれは散文小説です。 あらすじ 退役軍人の息子である主人公グリニョーフはついに軍務に就く…

プーシキン「オネーギン」について

1832年に執筆し終えたプーシキンの韻文小説「オネーギン」(原題:Евгений Онегин)ですね。 露文科の授業で最初に読まされた本です。 簡単なあらすじ 遊蕩児のオネーギンはペテルブルグの社交界で遊び歩いていたが、ふさぎの虫となり興味 を失ってしまったため…

レールモントフ「現代の英雄」について

1840年ミハイル・ユーリエヴィチ・レールモントフが発表した小説「現代の英雄」(原題:Герой нашего времени)についてここにメモっておきます。(いつか僕がレポートで使うかもしれないので) この作品は、雑誌「祖国雑記」に別々に掲載された五つの話が長編小…

白石聖を推してます