狐は豚に貢ぎたい

露文徒の雑記

カザフスタン短期留学について

どうもみなさんお久しぶりです!

もう去年の夏休みの話になるんですけど、中央アジアにあるカザフスタンに約1ヶ月サマースクールでロシア語を学びに行ったので忘れないうちにそのことについて書いておきたいと思います。お隣のウズベキスタンにもちょっと観光に行きました。

 

まず私は早稲田の学生なんですけど、もともと外大のプログラムだったみたいでそこで人が集まらなくて早稲田と上智の露語科にも声がかかったみたいです。

おかげで現地の人だけじゃなくて他の大学でロシア語を学んでる人たちと交流もできてなかなか楽しかったです☺️

申し込み締め切りの10日前くらいに連絡が来たんですけど、僕は即決しましたね。本当はロシア行きたかったんですけど戦争のせいで行けないですし、コロナのせいで入学した時から大学生らしい思い出が何もなかったですからね〜

幸いカザフやウズベクは30日以内の滞在ならビザいらないですし、コロナも気にしてないような国だったので何の手続きもなく楽々入国できました✌️

 

サマースクールでは、アルマティにあるカザフ国立大学というところに行きました。

カザフ国立大学

カザフ国立大学のアルファラビ像

カザフ国立大学って日本人に言うとカザフで一番頭のいい大学なのかって思われますけど実際は中堅国公立くらいの立ち位置らしいです。(帰国後に発覚)

アルマティはソ連時代の首都でアスタナに首都が移った今でもカザフで一番栄えている街です。首都のアスタナは行政都市で大学とかはアルマティに集まってるので日本からカザフに留学しようって思ったらアルマティになると思います。旧ソ連諸国あるあるなんですけど首都以外の都市あんまり発展してないって言うのがあってアルマティという街を出たら永遠に草原で大きな街が特にないです。

夏なのでめちゃめちゃ暑くて乾燥も酷くて最初の方は喉が痛かったり調子悪くなったり辛かったですけど、不思議なことに人の体は気候にすぐ適応するみたいで最後の方は普通に過ごしやすかったです。夏に来る人はのど飴とか喉に優しいものを持って行った方がいいですね。

 

カザフスタンの良かったところたくさんあるんですけど簡単にまとめると

  1. いつも天気がいい
  2. 食べ物が美味しい
  3. 自然豊か
  4. 物価が安い
  5. 人が優しい

というのがありますね。

 

まず上の写真の通りカザフはいつも天気が良くて1ヶ月いるうち雨が降ったのが1日しか無かったです。日本帰ってから曇りという天気を久々に見ました。

 

あとカザフは本当に食べ物が美味しかったです。人口の七割くらいムスリムなので豚肉はないんですけど、牛、羊、鳥、馬などなどをふんだんに使ったプロフやシャシリクなどの脂たっぷりの肉料理です。

ボルシチとかロシア料理も多いんですけど、何といってもアジアのなので米の文化圏っていうのも日本人には嬉しい住みやすいポイントです。

味は日本のと全然違うんですけど寿司屋とかラーメン屋もあって全然日本人住めると思います。

シャシリク

ボルシチ

 

三つ目の自然が豊かっていうのはイメージできると思いますが、とにかく国土が広大で全然開発されてないのでだだっ広い手付かずの草原があったり森林に覆われた山々があり、澄んだ色の湖があったりという具合に日本では見れないような雄大な自然を体験できます。

街中も街路樹だったり公園だらけで自然を大切にしているんだなというのが伝わってきました。

カザフ人とかと仲良くなると週末の山登りとか誘われたり、彼らも自然が大好きです。

コルサイ湖

 

物価に関しては、輸入物は日本と同じくらいの価格帯でしたけど、現地で生産されているものとかを選べば日本よりだいぶ安かったです。

カザフの通貨テンゲっていうんですけど円安真っ只中でもまだ円の方が若干強かったです。

物に関していうと日本資本はあんまり入ってなくてロシア製とか韓国製が多かったです。アメリカはスタバ、マック、ケンタッキーあたりはありましたけど、まだロシアの方が影響力強そうです。

他の注意点として内陸国なので肉が安くて魚が高いっていう日本と逆の現象が起きてますね。

 

最後の人が優しいっていうのは一番住む上でよかったです。日本人だと珍しがってバスとかいろんなところで話しかけられたり家に招待されたりしますし、レストランのトイレとかも客じゃなくても誰でも使えるらしいです。(だからトイレ汚いのか)

僕は教会行ったんですけど修理してて聖堂入れなくて壁画修復してたおじさんが特別に中入れてくれたり屋根とか鐘楼登らせてくれてお茶まで誘ってもらいました。ウズベクでは普通に教会の写真撮ってたら朝食誘ってもらいましたwww

カザフ人もウズベク人も本当にみんな優しかったです。

 

大学でのロシア語の勉強は午前中で終わって午後は友達と映画見に行ったり、街散策してたんですけど、1人で空いた時間何やっていたのかというと僕は教会を見てました。

ショッピングモールとかたくさんあって娯楽がないわけじゃないんですけどやっぱり僕はそこでしかできないことをしたいと思ったので教会巡りが妥当かなと思いました。向こうは東方正教会がメインなんですけど日本だと東方正教会は数えるほどしかないですからね。他の日本から来た人たちはロシア語やってる人はソ連好きとか多いのでソ連時代の軍服とか鞄とか骨董品集めしてました。金かかりそうですけど日本で買うより全然安いらしいです。

その一方で僕は毎日1人でコツコツ教会を見て回ってアルマティのほぼ全ての教会を制覇しました。

まあまあ良質な教会もありました。

ゼンコフ教会(正面)

ゼンコフ教会(内装)

教会いろいろ見たい人は僕のインスタでも見といてください。

 

続きましてウズベクの話をしましょうか

ウズベクではブハラ、サマルカンドタシュケントの3都市を巡りました。

教会はタシュケント駅の近くにあるのが大きくてよかったです。

タシュケントのでかい教会

全体としてウズベクはロシア語が通じないというのが印象的でした。カザフでは、カザフ語とロシア語が併記されていて誰でもロシア語通じたんですけど、ウズベクでは脱ロシアが早かったので完全にウズベク語ですね。旧ソ連だからってウズベクでもロシア語通じるやろと思っているそこのあなた、要注意です。日常で使えないのでロシア語留学をしたいならカザフをおすすめします。カザフと比べてウズベクはいろいろ街があるんですけどどこも微妙に田舎感が強いので飽きると思います。

あとウズベクは新幹線みたいなのが発達していて都市間の移動がしやすかったのは印象がいいです。食文化はカザフとほぼ一緒で、物価はカザフよりだいぶ安かったです。ただ観光に力を入れてる国なので現地の人と観光できた人で料金が違ったりするので注意が必要です。

 

街ごとに見ていくとどの街もブルーモスクがたくさんあって街並みもディズニーのアラジンエリアみたいで綺麗なんですけど、ブハラは小汚い露店が多いとかサマルカンドは公園とか広場が多くて露店もなくて整然としてたり街ごとに特色はありあました。

でもどの街も1日あれば回りきれる大きさなので観光で来る際は一箇所に長時間滞在するよりも新幹線的なやつを使って幾つかの都市を周遊するように計画を立てるといいと思います。

サマルカンドのレギスタン広場

サマルカンドの死者の道

タシケントのアムールティムール像

 

僕はロシアが大好きなので本当はロシア行きたかったですけど、旧ソ連諸国であるカザフとウズベクに行って現地の人と仲良くなることでロシアを別の視点から見ることができましたし、戦争がなければカザフスタンなんて一生行くことなかったかもしれないのでこんないい場所に来れた縁に感謝しています。向こうの大学で友達もたくさんできましたし、そのうちまた行ってみようと思います。

 

カザフスタンっていまだにロシアの宇宙船が着陸したり旧ソ連諸国の中でもロシアと強い政治的・経済的結びつきがあるってイメージだと思うんですけど、もちろんそれはあってるんですけど、今カザフ国内ではナショナリズムが盛り上がっていてカザフ語を積極的に使うようになったり、若者もみんな英語も話せますし、時が経てば他の国のようにロシア語が通じなくなったりロシアから離れていくんじゃないかなというのは薄々感じました。

ロシアと仲良くしてるのもロシアと国境で接している部分がめちゃめちゃでかいので仕方なくっていう感じもあるんでしょう。向こうの友達もロシアと中国に領土を狙われているって危機感を抱いていたのでウクライナと同じような問題を抱えててやりにくいでしょうね

C・ブロンテ『ジェイン・エア』について

またしてもイギリス文学からシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』(原題:Jane Eyre, 1847)です。

これも英文科のお友達に紹介されたので読んでみましたが、『ダーバヴィル家のテス』と比べたらハッピーエンドですし、そんなに暗い話じゃなくてよかったです。

最初はカラー・ベルという男性の筆名で発表されていたそうです。

あらすじ

主人公ジェインは孤児で叔母のミセス・リードに育てられていました。しかし、そこではミセス・リードの息子のジョンやその妹たちにいじめられたり、ミセス・リードからも酷い扱いを受けていました。

ジェインは癇癪持ちで時々手のつけられないほど暴れたのでロー・ウッド養育院という寄宿学校に入れられます。

そこでヘレン・バーンズという友達ができ、テンプル先生という優しい先生にも出逢いますが、ヘレンは肺病ですぐに亡くなってしまいます。

ジェインはそこで、生徒として六年間フランス語や絵やさまざまな教養を身につけ、その後二年間教師として働きました。

しかし、尊敬していたテンプル先生が結婚して辞めることになったのでジェインも思い切って広告を出してソーンフィールド邸というところで住み込みの家庭教師をすることにしました。

そこでジェインはアデルというフランス人の少女の家庭教師として働くことになりました。

そこの主人のエドワード・ロチェスターは頻繁に海外に行くなどして屋敷にいないことが多く、ジェインも最初の数週間は会うことはありませんでした。ある時街に手紙を出しに行く途中で馬に乗った男を転倒させてしまいますが、実はそれはソーンフィールド邸の主人ロチェスターでした。

ロチェスターはそんな男前ではないと書いてありますが、その後屋敷で度々会うようになり、どういうわけかジェインは段々とロチェスターに惹かれるようになります。

ある日ジェインは夜中に人気を感じ、起きると恐ろしい女の笑い声が聞こえ、廊下に出て声のほうに向かうとロチェスターの寝室が燃えてるのを発見します。

ジェインはロチェスターを起こし、火を消し止めますが、ロチェスターは何者の仕業か隠蔽してしまいます。

ロチェスターはジェインと違って裕福なので上流階級の人たちと交流があり、良家の令嬢とも仲が良く、それを見たジェインは嫉妬します。

ある時ロチェスターが多くの上流階級の人たちを屋敷に呼ぶことになりました。その人たちは数週間滞在する予定でジェインも毎日話に加わるようロチェスターに言われましたが、身分の違いを思い知らされ苦しみます。

そんなある時ロチェスターの旧友で西インド諸島から来たメイスンという男がソーンフィールド邸を訪れますが、夜中に何者かに刺されて死にかけてしまいます。なんとか一命を取り留めましたが、またもやロチェスターが事件を隠蔽してしまいます。

そんな中ジェインはミセス・リードが病気になり、息子のジョンが家の金を散々使い込んだ挙句死んだという知らせを受け、ミセス・リードの元を訪れます。

そこでジェインは自分には叔父がいて、その人が自分に遺産を相続しようとしていることを知りました。それを告げた後、ミセス・リードは死に、その家にはもはや財産は残っていなかったので、残された2人の娘は家を出ました。

ソーンフィールド邸に帰ったジェインは、ロチェスターが良家の令嬢と結婚しようとしていることを知ります。その場合、アデルは寄宿学校にやられるので、自分はお役御免となり家を出ていかなければならないのでロチェスターと会えなくなることを悲しみました。

しかし、結婚するという話はロチェスターがジェインを嫉妬させるために仕組んだものであり、2人は共に思いを打ち明け、結婚することになります。

結婚当日教会で牧師が結婚に意義を唱える者はいないかと尋ねるとメイスンとその弁護士が現れ、ロチェスターはすでに結婚しおり、妻が今もソーンフィールド邸にいるため、この結婚は不当であると訴えた。

実はロチェスターは10年前にメイスンの妹と結婚しており、そのことをずっと隠してきていました。その妻というのは気が狂っており、普段は誰にも知られないように塔に閉じ込めているがたまに脱走してロチェスターを焼き殺そうとしたりしているのでした。

それを知ったジェインはソーンフィールド邸を逃げ出し、馬車代で全財産使い果たし、三日間飲まず食わずで彷徨い死にそうになります。そんな時セント=ジョンという教区牧師に救われます。セント=ジョンには、ダイアナとメアリという2人の妹がおり、とても教養が高くジェインとも気が合いました。

ジェインとセント=ジョン、ダイアナ、メアリは数週間共に過ごし、打ち解けあったが、金がなく働かなければならなくなったため、ダイアナ、メアリはそれぞれ住み込みの家庭教師となることになり、ジェインは学校の先生となりました。

ジェインはセント=ジョンたちにずっと身の上を隠していたのでジェイン・エリオットという偽名を使っていたが、ついにセント=ジョンに素性がバレてしまいます。

ジェインは長い間捜索されていたが、その理由はジェインの叔父がジェインに2万ポンドの遺産を残して亡くなったからであった、

そして、実はセント=ジョンたちはジェインの従兄弟であるということが判明し、その遺産は4人で分け合い、再び4人で暮らすこととなります。

セント=ジョンは宣教師としてインドに行く計画を立てていたが、ある日ジェインに妻として一緒に来るように頼み始めます。

しかし、ジェインはセント=ジョンが自分を愛してはいないことを知っていたので、結婚を断り、ロチェスターに再び会うため、ソーンフィールドに向かいます。

しかし、ソーンフィールドは廃墟になっており、そこには誰もいませんでした。

近くの宿屋で事情を聞くと、数ヶ月前にロチェスターの妻により火が放たれ、妻は転落して死に、ロチェスターは左腕を失い、失明し、今はファーンディーンにいるということがわかります。

ジェインはすぐに会いに行き、2人は再び愛し合い結婚することとなりました。

今ではダイアナ、メアリもそれぞれ結婚し、セント=ジョンはインドで宣教師としてまもなく死を迎えようとしています。

C・ブロンテについて

この作品はC・ブロンテの自伝的な要素が強いそうなのでC・ブロンテについても書いておこうと思います。

C・ブロンテは牧師の娘で、他に4人の姉妹と1人の弟がいます。

中でも三女のシャーロット、四女のエミリー、五女のアンの3人は小説家でブロンテ三姉妹と呼ばれています。エミリーの代表作が『嵐が丘』でアンが『アグネス・グレイ』です。下に行くほど暗い話になるそうです笑

 

この時代女性作家自体が珍しかったので一つの家から3人も女性作家が出ているのはすごいことらしいんですけど、どうやら牧師の家だと本がたくさんあるので小さい頃から文学に触れることができるっていうのが関係あるらしいです。

 

5歳の時に母が癌で亡くなり、長女と次女はシャーロットが9歳の時に肺病で亡くなっており、ヘレン・バーンズのモデルは長女のマリアだと言われています。

通っていた学校も先生も実在のモデルがいるそうです。

また、シャーロット自身もジェイン同様寄宿学校で学び、教師として2年働らき、住み込みの家庭教師(governess)として働いています。

 

この家族は総じて短命でシャーロットが32歳の時に弟のブラウンが亡くなり、33歳の時に妹のアンが亡くなり、シャーロット自身も38歳で死去しています。

感想・考察

ジェイン・エアという人間の半生を描いた教養小説で、ジェインの回想によって語られるという話なんですけど、もう少し語りが客観性な視点であればトルストイとかにもありそうな作品かなという感じはしました。

ヴィクトリア朝にしては暗すぎず、ハッピーエンドでよかったです。この時代に自立した活発な女性を描いたというのもポイントかもしれません。

ジェンダー系の話はもう疲れたので今回はしませんが、そういう議論も所々で出てきていかにも女性作家の作品という感じはしました。

 

ロチェスターが最後不自由な体になるんですけど、それでも幸せになれるっていうメロドラマ的な要素は酒井法子の「星の金貨」ってドラマを思い出しました。あれも最後の方で相手役の竹野内豊が事故で半身不随になったり、大沢たかおが死んだりするんですけど、ああいう「冬のソナタ」的な不幸が起きる恋愛ドラマはたまにやると流行るっていうのがテクニカル的に確定済みなのでC・ブロンテよくわかってるな!って思いました。

風景描写もすごく綺麗でイギリスの田舎にまた行きたくなりました。最後の方ヒースっていう植物の名前がよく出てくるんですけど、あれは今調べたところによるとイギリス北部の荒地にしか生えてないらしいです。そういうのも知ってるとより面白いかもですね。

 

一つだけ気になったのがフランス人の扱いですね。アデルとかアデルの母親の話とかでフランス人に対するあまり良くない評価が出てくるんですけど、一方でこれはロシアでもそうですけど上流階級の人とか教養ある人はみんなフランス語を使うんですよね〜。フランスのこと好きなのか嫌いなのかよくわからないですよね笑

 

自伝的な話と組み合わせて面白い小説に仕上げたC・ブロンテ、あっぱれです。

 

 

プーシキン『スペードの女王』について

スペードの女王』(Пикавая дама)はプーシキンの短編小説で1834年に雑誌『読書文庫』で発表されました。

これも『青銅の騎士』みたいなペテルブルグを舞台にした幻想的な話です。

あらすじ

工兵士官の主人公ゲルマンはいつも周りの士官たちがギャンブルをしているのを見ているだけで決してそれに加わろうとはしません。

しかし、ゲルマンはナポレオン並みの野心家で大金を手にする機会をずっと探していました。

ある時知り合いの士官からとある公爵夫人の話を耳にします。その公爵夫人はかつてギャンブル好きで大金を溶かしていましたが、ある人から必勝の札を教えてもらったことで大金を手にしその後金を賭けることは無くなりました。

それを聞いたゲルマンは三枚の勝ち札の話に興味を持ち、街を彷徨い歩いているといつの間にかその公爵夫人の屋敷の前に来ていました。

それからはゲルマンはその屋敷に住むリザヴェータという娘を誘惑し、屋敷に忍び込む機会を得ます。

そこでゲルマンは公爵夫人の部屋に忍び込み3枚の勝ち札を教えるように銃を突きつけ脅しますが、公爵夫人は突然死んでしまいます。

しかし、後にゲルマンの部屋に公爵夫人の幽霊が現れ、「3」「7」「1」の順で賭ければ必ず勝てると告げます。

ゲルマンは実際にその通りに賭けていき2回勝ちますが3回目も勝ったと思った時相手に君の負けだと言われ、手に持ったカードを見てみるとそれは賭けたはずの「1」ではなく「女王」でした。すると「女王」のカードの絵柄はたちまち公爵夫人の顔になり微笑みます。

ゲルマンは錯乱状態になり、精神病院に入れられ、「3(トロイカ)」「7(セミヨルカ)」「1(トウズ)」、「3(トロイカ)」「7(セミヨルカ)」「女王(ダーマ)」と繰り返しつぶやくだけになりました。

 

感想

最初は普通だったゲルマンがリザヴェータを誘惑するために毎日屋敷の外に立ってたり無限に手紙を送り続けたりだんだん狂気に包まれていく過程が面白いです。死んだ公爵夫人の死体がこっち見てきたり幽霊出てきたりホラーテイストなプーシキン作品とてもいいです。

本読んだだけだとゲームのルールが良くわからなかったんですけどアマゾンプライムに映画があったのでそれ見たらやっと理解できました。

ドストエフスキーの『賭博者』とかありますけど、ロシア文学って結構ギャンブルの描写多くて貴族や士官の主な娯楽の一つだったんだなぁって思いました。

あと「いやいや、倹約、節制、勤勉、これが俺の三枚の勝ち札だ。これこそ俺の身代を築き上げるどころか七層倍にもして、安楽と独立を齎すものなのだ。」っていうセリフはすごく印象的です。僕も倹約、節制、勤勉を3枚の勝ち札にしていきたいです。

 

 

ハーディ『ダーバヴィル家のテス』について

今回はロシア文学じゃなくて英文科のお友達がおすすめしてくれたイギリスのトマス・ハーディさんが1891年に出版した『ダーバヴィル家のテス』(原題:Tess of the d'Urbervilles)について露文徒の視点から書きます。

 

作中の地名は、モデルにした場所はあるらしいんですけどだいたい架空の地名だそうです。

簡単なあらすじ

第1編処女

テス・ダービフィールドという少女は、イギリスのマーロットという村の貧しい行商人の一家の長女でした。

ある日その村の牧師がテスの父親にテスの一家はかつてその土地の貴族領主であったダーバヴィル家の末裔だと教えます。それを聞いた父親は調子に乗り周りに言いふらします。

それを聞いた妻は、隣村のトラントリッジにダーバヴィルという夫人がいることを思い出し、そこで娘のテスを奉公させ、身分の高い紳士と結婚させてもらおうという計画を思いつきました。

テスはその計画に乗り気じゃありませんでしたが、自分のせいで生計を立てる上で必要な家に一頭しかいなかった馬を死なせてしまい、ダーバヴィル家で奉公する決意をします。

テスがダーバヴィルの屋敷を訪れるとそこの夫人の息子であるアレクに会います。実はこの屋敷に住むダーバヴィル家は、テスの先祖に当たるダーバヴィル家とは関係のない偽物だったのですが、テスはそれを知らずアレクに騙されそこで奉公することになります。

その後テスは真面目に奉公しますが、アレクに一瞬気を許してしまったが為にアレクに犯されてしまいます。

第2編もはや処女ならず、第3編更生、第4編結果

テスは絶望して実家に帰り、アレクの子を出産します。

しかし、子供はすぐ死んでしまい、村にいるのが決まり悪くなったのでテスは1人で家を出て、遠く離れたトールボセーズの酪農場で乳搾りに従事します。

テスはそこで平和に暮らし、女友達も出来て、エンジェル・クレアという男に出会います。エンジェル・クレアは、エミンスターという地方の牧師の息子三兄弟の末っ子で、農業の勉強をするためにトールボセーズに来ていました。

エンジェル・クレアは、テスを純潔な女性だと思い込んで気に入り、アプローチをかけます。テスも女友達には絶対エンジェルとは結婚しないと言いつつ自分の過去を隠し、エンジェルといい感じになり、結局2人は結婚します。

第5編女は償う

結婚初日2人はトールボセーズを出て、かつてのダーバヴィル家の屋敷に泊まります。しかし、そこでエンジェル・クレアが実は自分が童貞ではないという秘密を打ち明けてきたため、テスも自分の過去を打ち明けます。

それを聞いたエンジェルはテスに失望し、ブラジルに行ってしまいます。

1人残されたテスは、一応エンジェルから別れる前に生活費をいくらかもらっていましたが、貧しくて困っていた実家に送ってしまったので、生活するのに金が足りなくなりました。

それを補うため、トールボセーズ時代の女友達の誘いでフリントコム・アッシュで野良仕事をするようになります。テスはエンジェルとの関係を半ば諦めていましたが、女友達との打ち明け話により、エンジェルへの想いがまた強くなり、彼の両親に会いにエミンスターへ行くことになりました。

テスは、エンジェルの両親は自分を受け入れてくれるだろうと楽観的に考えていましたが、実際行ってみると道でエンジェルの兄2人がエンジェルが乳搾りの女と結婚したことへの嫌味を言っているのを聞いてしまい、自分は受け入れられないと感じたテスはエミンスターから逃げ出します。

落胆しながら帰る途中でテスは、誰かが熱く説教しているのを耳にします。それを見に行くと説教していたのはなんと自分を孕ませたアレク・ダーバヴィルでした。

第6編改宗者

テスはアレクを見て逃げ出しますが、アレクは後を追ってきます。テスは「もう私に近寄らないでください!」と言ってまたフリントコム・アッシュまで帰りますが、数日後テスが仕事をしているとアレクがやってきて結婚を迫ります。

テスはもちろんエンジェルと結婚しているので断りますが、その後もアレクはしつこくテスにアプローチをかけます。

テスは断り続け、エンジェルにも早く戻ってきて欲しいと手紙を書きますが、エンジェルからの返事は一向になく不安に陥ります。(この時エンジェルはブラジルで熱病にかかって寝込んでました。エンジェルも早く帰りたいしテスに会いたい気持ちでいっぱいです。)

そんな中テスの元にテスの妹のライザ・ルーがやってきて母親が死にそうで父親も調子が悪そうだから実家に戻って欲しいと伝えます。テスは急いで実家に帰り、仕事を手伝いますが、母親が良くなったと思ったら父親が死んでしまいます。

ダービフィールド一家の持ち家は3世代限定の借地であり、父親が3世代目であったため契約が終わり、一家引っ越さなくてはならなくなりました。

一家は祖先ダーバヴィル家の納骨堂のあるキンズビアに向かいますが借りれる家や泊まれる場所もなく路頭に迷ってしまいます。

そんなテスの前にアレク・ダーバヴィルが現れ、テスは家族を援助してもらう代わりにアレクに身を捧げます。

第7編遂行

ブラジルから帰ったエンジェルは、テスを探し出しますが、すでにテスはアレクの妻となっていました。

テスはエンジェルを追い返しますが、アレクがエンジェルのことでテスを罵ったのでテスはアレクを刺し殺してしまいます。

テスはすぐにエンジェルを追いかけ2人は一緒に逃げます。

何日かの逃亡ののちテスはストーンヘンジの祭壇の上で寝ているところを逮捕され、絞首刑になります。

感想

なんというか暗いし救いようがないし、後味の悪い作品でした(´・ ・`)

ロシア文学でも自殺とか殺人はよくありますけど、この作品はとことん不幸な話です(><)

本当に作品の質はロシア文学とそんなに変わらないと思いますけど、ロシア文学と比べて違和感を感じるポイントとしては、土地の移動、身分制度、宗教観ですかね〜

土地の移動に関しては、テスはいろんな地方を簡単に行ったり来たりしていますけど、帝政ロシア1861年農奴解放令までは農奴制なので同じ19世紀の文学を比較してもロシア文学の金の時代には土地の移動の話はあまり出てきませんね。調べたところでは領主に対して負債がなれば秋の「聖ユーリーの日」の前後二週間だけは合法的な移動が認められたらしいですが、小作人っていうのは大抵の場合は常に領主に対して負債を負っているものですから実際にはロシア農民が土地を移動することは農奴解放令までほとんどなかったでしょう。

身分制度で気になったのはイギリス人は昔からの名家とかの家柄をすごく重んじているというところですね。ダーバヴィル家は昔は騎士の称号を持っていたけど騎士の称号は世襲性じゃなかったとかなんとか。農民だからそういう身分に憧れが強いという可能性もありますが、帝政ロシアではそこまで身分の話をしてるのを見たことはないので違和感がありました。

次に宗教観ですけど、まあイギリスはプロテスタントでロシアは正教会なので違和感あるのが当然ですね。イギリスの方はなんか純潔に対するこだわりが強いように感じました。別にテスは無理やり犯されただけなんだし、一回の過ちぐらい許してあげなよ〜って思うんですけどね、テスが処女じゃないってだけで別れようとするエンジェル酷すぎますよねwwww

しかもエンジェル自分童貞じゃないのにそれを棚に上げるの最低だよねって英文科のお友達も言ってました。本当にその通りだと思います。ロシア文学だと貴族中心だからかもしれませんが結構放蕩にに耽ってる若者多いですよ。貴族社会じゃ不倫も横行してますしね。イギリスは自由恋愛の社会だとロシア文学でよく紹介されてたので結構イギリス人遊んでるのかと思いきやこの作品読むとロシア人の方が意外と節操ないと思ってしまいますね。

でもこれ書いてたら後で民間信仰についても触れますがやっぱり宗教観は貴族社会と平民社会分けて考えないとなんとも言えない気もしてきました。

 

でも『アンナ・カレーニナ』とかにあるように神の前で愛を誓い合うとなかなか離婚するのが難しいらしいっていうのはイギリスでも同じっぽいですね〜

 

本当に僕はロシア文学しか読まないのでその範疇の外にあるものは語れないんですけど、分かる範囲内で『ダーバヴィル家のテス』の気になるポイントについて最初の方から順番に見ていこうと思います。

まずは冒頭の女の子たちが白い服着て踊ってるシーンですね。

作中でエンジェル・クレアが何回かテスのことを"異教徒"って呼んでるんですけど、それに関する記述がいろんなところに散りばめられていて、イギリスのフォークロアを描くことがこの作品の一つのテーマになってるような気がしました。

実際に作中で「おお、汝ら日と月よ……おお、汝ら星たちよ……汝ら地上の緑なるものよ……汝ら天かける鳥どもよ……野の獣と家畜どもよ……人の子らよ……汝ら主を祝福し、主をたたえ、永遠に崇めまつれ!」(岩波上巻、p.171)という詩をテスが歌うシーンがあり、その後にこう書かれています。「そして、おそらく、この半ば無意識的な狂想曲は、一神教を背景とした物神崇拝を言い表したものだったろう。戸外の『自然』の形や力を主な伴侶とする女というものは、後世になって彼女らに教えられた組織だった宗教よりも、遠い祖先の異教的な空想の方をはるかに多くその魂の中にとどめているものだ。」

ここに明確に書いてある通りテスはキリスト教徒であるだけでなく自然崇拝のような民間信仰も受け継いでいました。ここはロシアの農村の状況と同じだったので理解しやすかったです。

中世より前、貴族層を中心にキリスト教を受け入れ、農民たちを無理やり改宗させようとしても民間信仰が完全に消えなかったのはヨーロッパのどこの国も同じなのでしょう。

それで話が戻りますが冒頭のダンスのシーン、何をしていたのかというとおそらく夏なのでスラブ圏で言う夏至の豊穣祭「イワン・クパーラ」のイギリス版でしょう。(イギリスで何て言うか知りません。)

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イワン・クパーラ

この異教の行事はスラブ圏では女性主導で行われるもので、白い服を着た女の子たちが集団で水に入ったりカップルで焚き火を飛び越えて水と火の精との結びつきを強くするものです。

内容や呼び名はイギリスとロシアでは少し違うでしょうが、テスは農村で小さい頃から豊穣の儀礼などに参加して異教徒としての精神も培ってきたのでしょう。

それに最後テスが逮捕されたストーンヘンジのことを「異教徒の神殿」(岩波下巻、p.284)と表現していたのでテスの本質はキリスト教ではなく異教にあるということを作者も伝えたかったんでしょう。ちなみにかつてストーンヘンジで行われていた儀式は生と死に関するものだったそうです。

 

次にテスの家族についてです。テスが長女で下に兄弟が5人か6人いるっぽいんですけど、19世紀のイングランドの一世帯平均人数は約4.7人らしいのでダービフィールド家はなかなかの大家族と言えますね。

父親は行商人ですけど、一般に経済発展に伴って行商は衰えていくと言われてるので産業革命が進んだ19世紀末に行商人としてこの家族を養うのは無理でしょう。

テスのお父さん自分が名家の末裔だと知ってから調子乗ってあんまりちゃんと仕事してなさそうだったけど、よく家計の火の車が灰にならなかったなって感じです⊂*1

 

母親がテスを身分の高い人と結婚させて自分もいい思いをしようと考えてましたけど、これはチェルヌイシェフスキーの『何をなすべきか』の序盤と一緒ですね。ヴェーラ・パーヴロヴナは母親が結婚させようとした相手の本性をいち早く見抜いて結婚回避していましたが。やはりこの時代の庶民は支配階級に憧れがあり、こういうことを考えた人は少なくなかったのでしょう。

 

次に気になったポイントは、トラントリッジでアレクに犯される前に酔っ払った女2人に喧嘩をふっかけられる場面があるんですけど、そこでその女2人が「スペードの女王」、「ダイヤの女王」っていう風に表現されているところですね。これは他の人は気になるのか分からないんですけど、こういう表現が急に出てくるのは僕にはすごく違和感がありました。「スペードの女王」というカードには本来身分の高い人という意味がありますが、他にも死を意味していることもあるそうです。これは「スペード」が剣を表していることからの派生でしょう。ちなみにこの作品への影響はないでしょうけど、プーシキンの有名な小説で『スペードの女王』というホラーテイストの作品があり、「スペードの女王」という言葉の持つ意味を上手く作品に組み込んでいます。この作品については今度書きます。

 

次にテスがアレクにレイプされたところですね( ´・ω・`)

僕はこの作品を読んでトルストイの『復活』という作品に似てるなと思いました。裁判官の主人公がかつて犯した使用人が子供を産んでいて殺人に関わって捕まったところを法廷で再会するという話なんですけど本当に同じような話で驚きました。

この時代は領主が被支配階級の娘たちを好き勝手弄ぶのがよくある事だったのでしょう。現代でもそういう男はいて普通の顔していつでも純潔な娘を狙ってるんですよね。みんな1回トルストイの『クロイツェル・ソナタ』読んで欲しいですね。

テスが本当に可哀想(´・ ・`)

 

テスが産んだ子供が死んだ後牧師に埋葬してもらうように頼みに行くんですけど、洗礼を受けてない子供は埋葬できないって言われてテスが自分で簡易的な埋葬をするんですけどそれもかわいそうですよね。現代だったら墓地埋葬法があるので寺社・教会は頼まれたら絶対埋葬しないと怒られますよ( ̄▽ ̄;)

 

次にエンジェル・クレアですね。こいつはなんというか調子良く言ってることコロコロ変える一貫性のないやつですね。アレクも悪い男ですけど、こいつも悪い男ですね。自分童貞じゃないくせにテスが処女じゃないって知った途端態度変えてブラジル行ったのは唖然としましたね。最後はテスのところに帰ってくるんですけど、テスが捕まった後結局テスの妹のライザ・ルーとくっついたところで現代だったらめちゃめちゃ叩かれていたでしょう。以上。

 

中盤は農業関連の話がよく出てくるんですけど、僕は農業に全く関わったことがないので何をやってるのかさっぱりでしたけど、風景描写がとても綺麗でイギリスの田舎に行きたくなりました。イギリスは中学生の時にロンドンに行って3歳の時に一応田舎も行ったことあるみたいなんですけど、全然覚えてないですね。

テスの舞台はイギリス南部ですけど、スコットランドに13世紀のお城とかがたくさん残ってるみたいなのでそっちの方に行ってイギリスの城巡りをしてみたいですね。日本と違って田舎の方は鉄道網なさそうなので、車の免許持ってないとキツそうですけど。

 

第6編「改宗者」の直前で改心したアレク・ダーバヴィルと再会をしたところはテスだけじゃなくてこっちも予想外で面白かったですね。アレクはしつこいけどここから良いやつ感出してくるので最後殺されるのは少しかわいそうでした。まあ、でも「もうあいつブラジルから帰ってこないよ」って言ってテスのこと騙してたんで中身はクズのままでしょうけどね。人の中身っていうのは変わらないものですけど、テスと再開しない方がアレクは少しはまともな人間になれていたんじゃないかという気もします。

アレクもエンジェルも少しアプローチの仕方が強引なんじゃないかと思いました。テスは田舎娘だからそれでなんとかなりましたけど、現代の普通の女の子だったらそういうアプローチは好まないでしょう。

 

最後にテスがアレクを刺殺した後の逃亡劇ですね。ここの場面はすごく良かったです(*´ω`*)辛い目に遭ってきたテスが死ぬ前に最愛のエンジェルと2人きりの幸せな時間を過ごせたという唯一の救いの場面です。逃亡劇の小説は名作が多いんじゃないかと僕は思っていてロシア文学だとドストエフスキーの『罪と罰』がそうですし、日本でも東野圭吾の『白夜行』、『祈りの幕が下りる時』とか松本清張の『砂の器』とかすばらしい作品がたくさんありますよね。逃亡劇の主人公は概して不幸な人々で仕方なく殺人を犯してしまうんですよね。祈りの幕読んだ時絶対現代にそんな不幸な人おらんやろって思いましたけど、逃亡劇の主人公みたいな人がいないことを願います。

僕はアレク1人殺したくらいで死刑になるの厳しすぎんか?と思いましたけど、当時は殺人はだいたい死刑っぽいですね。ちなみにイギリスでは庶民は絞首刑で貴族は斬首刑だったらしいです。1868年に死刑改正法が施行されて公開処刑が廃止になったので、テスの時代設定が19世紀末だとするとテスが公開処刑されていたのと辻褄が合いませんね。最後公開処刑みたいになってたのどういうことなのか誰か調べてください。゚(゚∩´﹏`∩゚)゚。

 

一応またイギリス文学読むかもしれないので今年の春期の授業は英文学の講義を取ってみました!内容は19世紀の女性作家です!楽しみにしてます😊

 

『ダーバヴィル家のテス』みなさんも是非読んでみてください!

 

 

*1:・×・

ニューヨーク旅行について

2021年のクリスマスシーズンはアメリカ留学中のお茶の水女子大学教育学部言語文化学科英語圏言語文化コースのお友達とニューヨーク旅行に行きました!(^^)

 

ニューヨークに行くのは初めてで小学生の時からスパイダーマンの映画とか好きでいつか行ってみたいと思っていたのでドキドキワクワクでした(*´ω`*)

 

行こうと思った時期にちょうどニューヨークでオミクロン株が流行り始めてギリギリまで行けるか怪しかったですが無事行ってクリスマスシーズンのNYCを満喫して帰って来れました(^^)

 

準備・入国について

アメリカはビザの代わりにESTAってやつを申請する必要があってそれの申請とあとは入国1日以内に受けたPCRの陰性証明が入国に必要でした。

あとアメリカではレストランとか美術館とかに入るのにワクチンパスポートが必要でした。

1回ホテルにワクチンパスポート忘れて危うく入れないところでした(^^;

 

パスポートコントロールは泊まるところ聞かれてくらいで特に何も無く入れました(^^)

初日(12/23)

初日は朝10時くらいに空港に着きました。

空港はJFKだったのでそこから電車に乗ってJamaica centerまで行って地下鉄に乗り換えてマンハッタンって感じでした。

地下鉄のシステムがよく分からなくて金をチャージして使うメトロカードってやつ買ったんですけど、クレカでタッチすることでも入場できるみたいです。

 

今回泊まったホステルがマディソン・スクエア・ガーデンと郵便局の近くでそこら辺でお友達と合流しました。

ニューヨークにしてはなかなか安くていいホステルでした。

 

帰ってから「スパイダーマンNWH」の映画が公開されて見に行ったんですけど、冒頭いきなりマディソン・スクエア・ガーデンでおお!ってなりました笑

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その後はお友達と5番街の方に行きました。

飛行機でちょうど『プラダを着た悪魔』を見たばっかだったので良かったです(^^)

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クリスマスシーズンなので5番街は凄い人が多かったです。

 

この日は有名なバカラホテルのアフタヌーンティーに行きました!

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内装もすごく綺麗でお友達とずっと行きたいって話してたので行けて良かったです(^^)

 

その後また5番街をフラフラしました。

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ここはクリスマスツリーとスケートが有名なロックフェラーセンターです!綺麗なクリスマスツリーでした(*´ω`*)

ここもスパイダーマンNWHのラストシーンでドーンと出てきておお!ってなりました笑

 

この後はタイムズスクエアに行きました。

言わずと知れたニューヨークの名所なので興奮しました。

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次にお友達がエロい店を見に行きたいっていうのでアダルトショップを見に行ってゲイバーでショーを見ました。

僕は時差のせいかずっと眠くて半分くらい寝てました。

結局ニューヨークいる間ずっと10寝5時起きみたいな生活してました笑

 

2日目(12/24)

午前中はウォール街ニューヨーク証券取引所を見に行きました。

チャージングブルも可愛かったです(*´ω`*)

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次はお友達が行きたいって言ってたハドソンヤードを見に行きました。

なんか蜂の巣みたいでキモイ形してました。

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昼飯は親におすすめされたグランド・セントラル駅の中にあるオイスターバーって店にクラムチャウダーを食べに行きました!結構有名らしくてめっちゃ美味かったです(*´ω`*)

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その後はブロードウェイの劇を見に行く予定だったんですけど、クリスマス・イブだからか分からないですけど何故か中止になって見れませんでした(><)

悲しくて涙出ました。

 

代わりに教会のミサに参加しました。

これも眠くて半分くらい寝てました笑

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その後はお友達が行きたいって言ってたゴシップガールのロケ地になってるバーに行きました。

これもグランド・セントラル駅の中にあっていい感じの雰囲気でした。寝ましたけど

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3日目(12/25)

この日はクリスマスでニューヨークのほとんどの店が閉まってました。現地に住んでる人達にとっては家族と過ごす日みたいですね(*´ω`*)

飲食店もほとんどやってなくて店を探すのもやっとでした笑

日本だと稼ぎ時なのにアメリカだと逆にクリスマスにわざわざ働こうなんて人は珍しいみたいです。

 

店を探して歩き回ってやっと見つけた店ではクリスマスということでチキンを食べました。

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この後はタイムズスクエアから街を歩いてセントラルパークを散歩しました。

クリスマスでどこも閉まってたのでちょうど良かったです(^^)

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馬とかリスとかイッヌがたくさんいて楽しかったです(*´ω`*)
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セントラルパークを下から半分くらい歩いたところに世界3大美術館の1つであるメトロポリタン美術館が会ったので外側だけ見ました。

英文科のお友達はゴシップガールが好きでよく使われてたここの階段をすごく気に入ってました。

僕もここで写真を撮ってもらいました(*´ω`*)

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その後はエンパイア・ステートで夜景を見る予定だったので時間つぶしにカラオケに行きました。

どうやらニューヨークのカラオケはどこも日本語喋れる人が配備されてるようです。

普通に日本語の歌も入ってました笑

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エンパイア・ステートは夜景がめちゃめちゃ綺麗で凄かったです(語彙力)

よく見るとタイムズスクエアの辺りだけめっちゃ明るかったり面白かったです(^^)

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この後街歩いてたらニューヨーク公共図書館がありました。

サム・ライミが監督した『スパイダーマン』でベンおじさんが殺されたり、『タイムマシン』で過去を変えられない理由を聞きに行ったりいろんな映画で出てきますね笑

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次はクリスマスディナーにミシュラン三ツ星のLe Bernardinという高級レストランに行きました。

2人で7万くらいしてクソ高かったですけどまあせっかくのニューヨークなのでということで行ってよかったです(^^;

お友達も「こんな所初めて🥺🥺」って言って喜んでました(*´ω`*)

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僕はこの日も眠かったです(いつも眠くてごめんさいって感じ)

 

4日目(12/26)

この日はブルックリンの方に行きました。

ブルックリン・ブリッジっていう橋を歩いて行きました。

寒いのに人が多かったです。

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この日の夜はブルックリン側にあるThe River Cafeというレストランに行きました。

ここも高かったんですけどめっちゃいい雰囲気で良かったです(*^^*)

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5日目(12/27)

最終日はメトロポリタン美術館MoMAをハシゴしました。

メトロポリタンは流石に広すぎて一日じゃ回りきれなかったです。

ニューヨーク来るちょうど2週間前にロシアのエルミタージュ美術館も行っててこれで世界3大美術館制覇したんですけど、メトロポリタンが1番広かった気がします。

有名作品がたくさんあったので飽きずに見れました(*^^*)

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↑レーピンの肖像画
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抽象画はあまり詳しくないですけど、MoMAにはマレーヴィチの『White on white』とかロシア・シュプレマティズムの作品もありました。

 

6日目(12/28)

帰りは午前中の便だったのでこの日はお友達とは会わずに空港に向かいました。

帰りも特に何も無くスムーズに帰れました(*´ω`*)

日本行きの飛行機はガラガラで横になって寝れました。

最近はもはや飛行機内でも横になって寝れるのが当たり前でこういう所は元に戻って欲しくないなぁと思います笑

 

隔離について

今回は羽田からみなとみらいのアパホテルでした笑

眺めがめっちゃ良くて年越しの花火とか初日の出が見れました(*´ω`*)

前回よりもホテル隔離長くて6日だったんですけど、部屋広くて快適でした。

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年越しなのでお弁当も何となくおせちっぽい感じで美味しかったです。

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ロシア旅行について

コロナ禍の2021年11月の後半から12月の頭にかけて2週間くらいロシアのモスクワとサンクトペテルブルクに旅行に行きました!

今回はその事について思い出しながら語ろうと思います(*´ω`*)

 

準備・入国について

ロシアの入国はVISAを取得する必要があるので出国する2週間前くらいに溜池山王にあるロシアビザセンターでVISAを申請しました。

後はコロナ禍なのでワクチンパスポートと出国の3日前に受けたPCR検査の陰性証明を用意しました。

 

今回行きはフィンランドヘルシンキ経由でモスクワに行きました。

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この時まだ東京は10度以上はあったんですけど、こっちはもう雪積もってて寒かったです(><)

 

モスクワのパスポートコントロールでは、VISAとパスポートの写真が黒髪なのに金髪にして行ったので本人確認に時間がかかり、空港を出るのに30分くらいかかりました( ̄▽ ̄;)

VISAの写真と出国する時の髪色は合わせましょう!

 

モスクワについて

モスクワには夜着いたのでその日はそのままホテルに行きました(^^)

初日泊まったのは五つ星ホテルのレニングラードスカヤです!

ロシアは欧米の国と比べてとにかくホテル代が安くて日本人でもそこそこお代官様気分を味わえるのでオススメです(^^)

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外観もカッコよくて内装も綺麗なホテルでした。

 

ホテルに着いた後は近くで夕食を食べました。

コロナ禍なので遅くまでやってる所と早く閉まる所半々くらいでしたね〜

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これはペリメニビーフストロガノフです。

 

2日目はモスクワ中心部の辺りを回りました。

赤の広場ではクリスマスマーケットの設営が始まっていたり、街中イルミネーションが綺麗で11月でも既にクリスマスムードでした(^^)

そこら中クリスマスツリーで僕はもう既にこの時クリスマス気分でした笑

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次の日は大学の人におすすめされたモスクワシティの高層ビル群やアルバート通りなどに行きました!
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母親におすすめされたカフェプーシキンにも行ってみました。地下にコートを預かってくれる場所があるんですけど、雰囲気がとても良かったです(^^)

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ロシアの建築物は本当に重厚感があってオシャレで感動しました(^^)

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あとモスクワはツムとかグムとかでかいデパートがたくさんあるんですけど、そこの内装の飾りつけもすごくオシャレでした✨

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食事は一人旅だったので無計画でその都度インスタとかで美味しそうなお店探して入ってみました!

ロシアといえばウォッカなので飲んでみました(^^)

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Царское золотоというウォッカにしてみました。他にもオネーギンっていうプーシキンの小説の主人公の名前を冠したウォッカがあったり、銘柄たくさんあったのでお酒強くてロシア文学詳しい人とかは楽しそうだなと思いました笑
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チキンスープってやつ頼んだら素麺とヌードルの中間みたいなやつが出てきました笑
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これはビーフストロガノフです
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これはブリヌイっていうクレープみたいなやつです
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サークルの人にペリメニ専門店教えてもらったので行ってみたんですけど、ペリメニにもいろいろ種類があってびっくりしました。これの中身はラム肉にしてみました。

 

クレムリンにも入ってみました。

やはりコロナのせいか全く人がいなかったです。

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イコン画相変わらず目が怖いね

 

それにしても街中はほんとにどこもイルミネーションだらけでした笑

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あとモスクワでは基本地下鉄で移動してたんですけど駅が結構オシャレだなぁと思いました。

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モスクワは結構地下鉄で移動する感じで観光地移動するのにも乗り換えとか結構するし東京と似てる感じがしました。

 

モスクワ2泊目以降は4人部屋のドミトリーに泊まりました。なんと1泊1000円

1泊目は五つ星ホテルだったんですけど、こういうギャップも旅の醍醐味ですね(^^)

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ここは結構ロシア国内から来た人も海外から来た人も泊まってて英語で話して仲良くなれました(Facebook交換したり)

街中の人達は基本ロシア語しか話してくれないのでロシア語勉強してて良かったな〜と思いました。

やっぱり自分の言葉通じると嬉しいですよね(^^)

 

ロシアのコロナ対策どうなってるのかというと地下鉄とかはマスクしてる人としてない人半々くらいだったりするんですけど、意外とちゃんとした所もあって地下鉄の改札やデパートの出入口にはマスク警察のおっさんがいます。

美術館とかも政令でコロナの陰性証明がないと入れません。僕はそれを知らなかったので日本で受けたPCRの陰性証明でゴリ押して入りましたが(^^;

そのため主要駅には最短1時間で結果が出るPCR検査場があったりします。

これは日本でもやって欲しいなって思いました。

日本だと病院でしかPCR検査受けれないし高いし結果出るまでめっちゃ時間がかかる(><)

 

あとモスクワで印象に残ったのは、毎日雪とか雨とか何かしら降ってるのに誰も傘をさしてなかったことですかね笑

 

モスクワからサンクトペテルブルクにはレッドアロー号という夜行列車で移動しました。

700キロくらいの距離があるのに3000円くらいでロシア旅行は本当にお得です笑

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ぐっすり眠れて朝食もついててなかなか良かったです。ヨーロッパの夜行列車とか憧れてたので乗れて嬉しいです(^^)

 

サンクトペテルブルクについて

サンクトペテルブルクは朝着いたんですけど大吹雪でめっちゃ寒かったです。モスクワより全然寒かったし3日か4日滞在したんですけどずっと寒くて夜は寒すぎて観光できませんでした笑

サンクトペテルブルクは見たいところたくさんあるんですけど次来る時は夏がいいです(><)

 

ペテルブルクではまずずっと行ってみたいと思ってたツァールスコエ・セローに行きました!

1面雪景色で綺麗でした。ここは冬で良かったです笑

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エカチェリーナ宮殿は外観も内装も綺麗で本当に来てよかったと思いました。ここはまた来たいです(^^)

 

エカチェリーナ宮殿のすぐ横にあるリツェイも見れました。詩人プーシキンの学生時代に思いを馳せることが出来ました(*´ω`*)

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ペテルブルクでは四つ星のホテルに泊まりました。

朝食も豪勢でとても良かったです(^^)

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ペテルブルクは見たいところたくさんあったんですけど滞在時間短かったのでヴァシリーエフスキー島とか橋は見れませんでした。せめて夜寒くなければいろいろ歩き回れたんですけどね〜(^^;

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ペテルブルクにある青銅の騎士像っていう有名な像あるんですけどそれが修復中で見れなかったのでまた再チャレンジしたいです。

 

世界3大美術館のエルミタージュ美術館にも行きました!

ニューヨークのメトロポリタン美術館と違って部屋の内装そのものも楽しめてロシアの歴史を感じられる美術館です。

ここも1日ないとちゃんと回りきれない所なんですけど、滞在時間1時間くらいしかなかったのでまたリベンジしたいです(><)

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この美しい兄弟の絵はお気に入りです(^^)
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これはエカチェリーナ二世の有名な金の時計です。

時間になると孔雀が動くんですよ。
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ギリシャ・エジプト・東洋・西洋みたいな感じでいろんなジャンルの作品があるので時間ない人は何を見たいか考えてから行った方がいいかもですね(^^)

 

その後は文学カフェというプーシキンとかレールモントフなどの文豪が訪れたという由緒あるレストランに行きました。

1回ではプーシキンの蝋人形に会えます笑

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伝票ケースがオシャレでした✨

 

その後はマリンスキー劇場にバレエを見に行きました(ハードスケジュール、、)

歴史ある劇場で見に来た人もみんなお洒落してていいなと思いました。

バレエ見たこと無かったですけどロシアといえばバレエということで見てみたらすごく良かったです(^^)

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ペテルブルクにはさっきのエカチェリーナ宮殿みたいな青い建物が多かったんですけど、僕は青い建物が多いのは青空への憧れなんじゃないかなと思いました。滞在期間中晴れてるの見ませんでした笑

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帰るのにロシアでPCR検査受ける必要があったんですけど、日本の指定した形式の陰性証明書いてくれる医者のいる病院探すのが結構時間かかりましたね。

 

ヘルシンキについて

ペテルブルクの後帰りまたヘルシンキ経由だったのでヘルシンキで一日だけ過ごしました。

小島のホテルに泊まったんですけど、フィンランドっぽい質素な感じで良かったです(^^)朝はサウナも入りました。

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ヘルシンキはとても晴れていて遠くを見るとまるでペテルブルクだけ分厚い雲に覆われているように感じました。
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ヘルシンキといえばマリメッコとアラビアの本社があるので立ち寄って見ました。

ヘルシンキは来るの二回目ですけど、他の欧州諸国に比べるとまあ何も無い町です

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帰りの飛行機で貰ったこのビールが意外と美味しかったのでまた飲みたいなとたまに思ってます笑

 

隔離について

この時は12日の隔離期間でした。そのうち3日はホテル隔離です。

一応モスクワ市が政府指定の地域だったみたいです。

帰ってきてからもいろいろ検査受けさせられて空港に5時間くらいいましたね。この時は日本政府の手際の悪さを感じました。

成田空港から潮見のアパホテルまでバスで送られました。隔離生活は意外と快適で三食ちゃんとボリュームのある弁当が出てきますしWiFiも高速でしたし僕は文句なかったです。ただ最後は現地解散とかにして欲しかったですが笑

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コロナ禍での海外旅行はPCR検査代が余分にかかったり、帰ったら隔離されたりといったデメリットもありましたが、行ってみれば観光客が少なくて快適だったりみたいなメリットもあるので一概に悪いとも言えません。

社会人は隔離期間あるといけないかもしれませんが、大学生は授業は全部オンラインなので旅行先で授業も受けれるし、隔離されても関係ないし、むしろ海外旅行するチャンスだったと僕は思いました。(今期ロシアとかアメリカとか旅行しすぎで単位たくさん落としそうですが)

 

まあこれで露文科の学生としての使命を一つ果たしたので真の露文徒に一歩近づいたかもしれません。これ学んだロシア語を使ったり、文学作品で出てきた場所に行って見たり、文豪や歴史に関する場所を訪れ、文化に触れることができました。

これから先この経験はきっと役に立つでしょう。

青銅の騎士像とか見れなかったところもあるので次はコロナが治まった頃にまたロシアリベンジしたいと思います。

ウクライナ問題でロシアルーブルの価格が下がってるので今度行くときはもっと豪遊出来るかもしれません笑

チェルヌイシェフスキー「何をなすべきか」について

今回はニコライ・チェルヌイシェフスキーが1863年に獄中で執筆した「何をなすべきか」(原題:Что делать)です。

この作品は当時の青年たちや後の革命家たちに多く読まれ、レーニンの愛読書にもなったロシアでは重要な作品です。

長い話なのであらすじでは細かいエピソードは省いて書きます。

 

簡単なあらすじ

主人公ヴェーラ・パーヴロヴナは、ペテルブルグに住む一般的な家庭の娘で、いつも親に縛られて過ごしています。(彼女はのちにこの状態を地下室と表現しています。)

母親のマリア・アレクセーヴナは、金に貪欲な人間で名誉欲もあり、娘をいいところの息子と結婚させようとします。

しかし、ヴェーラ・パーヴロヴナは、その結婚相手が人間性に問題を抱えていることにすぐに気づき、結婚することを拒みます。

なんとか結婚させようとする母親と結婚するまでの期間を伸ばす約束を取り付けます。

 

その後ヴェーラは、なんとか結婚せずに済む方法を考えていると弟の家庭教師をしているロプホーフという医学生と知り合い仲良くなります。

やがて二人は恋に落ち、ロプホーフはヴェーラの家から助け出し、結婚せずに済む方法を考えます。

最初家庭教師として住み込みで雇ってくれる家を探しましたが、見つからなかったため、偽装結婚という形でヴェーラを家から連れ出すことにし、その企みは成功します。

 

結婚後二人は、三つの部屋のある家に住みます。二人の自分の部屋とその中間の部屋です。お互いの部屋に入る時は必ず許可を得なければならず、会う時は基本中間の部屋に正装をして出るというルールでした。

会うのは朝と晩の茶の時間で二人とも一人の時間を大切にしていました。

 

ロプホーフはもともと教授職を目指していましたが、結婚するにあたってその夢を捨てて大学を辞めて、家庭教師と事務仕事をすることになりました。

一方でヴェーラ・パーヴロヴナは知り合いの助けを得て裁縫工場を立ち上げました。

説明が難しいですがこの工場は当時としては新しい今でいう労働組合の原理を用いたところ大変うまくいきどんどん規模を拡大していきました。

 

結婚してから数年間ヴェーラは、ロプホーフの医学生時代の友人であるキルサーノフと3人で毎日楽しく過ごしていましたが、ある時期になるとキルサーノフは全く訪問しなくなり、ヴェーラは夢を見ます。

その夢の中でヴェーラの前に美しい声を持った女性が現れ、その女性がヴェーラの日記に手をかざすとヴェーラはロプホーフを愛していないという文字が浮かび上がります。(ヴェーラ・パーヴロヴナ第3の夢)

 

ヴェーラがそのことをロプホーフに相談するとロプホーフはキルサーノフが原因であることに気づき、なぜキルサーノフが訪問しなくなったかを考えるとキルサーノフがヴェーラに恋しているという事実が導き出されました。

やがてそのことにヴェーラも気づき、自分もキルサーノフを愛しているとロプホーフに打ち明けます。

 

その後ヴェーラとキルサーノフは頻繁に会うようになり、逆にロプホーフは二人から遠ざかっていき、ついに偽装自殺をし、二人の前から完全に姿を消します。

この後二人は結婚し、幸せに暮らしていきます。

 

5章以降では、カテリーナ・ヴァシーリエヴナという女性に焦点が移ります。

カテリーナ・ヴァシーリエヴナは郊外の豪商の娘で、その財産目当てに多くの男が言い寄ってきていました。

ある時カテリーナはある男に恋をしまうが、父親がその男のことを悪党だというので、それが叶わぬ恋になったと知ったカテリーナは悲しみ病気になってしまいます。

カテリーナは日に日に衰弱していき、父親は多くの名医を呼んで診せますが、カテリーナは何も言わないので誰にも原因がわかりません。

ある日キルサーノフが立ち合い診療に訪れます。(キルサーノフはこの時ヴーラとの結婚前で、すでに有名な教授でした。)

キルサーノフはすぐにカテリーナの病気が精神的な原因だと気づき、協力するから自分に事情を話すよう求めます。

事情を聞いたキルサーノフは、彼女の父親に対し、「その男が本当に悪党なら彼女もすぐに気づくはず」と言って説得して彼女と男の交際を認めさせます。

カテリーナはしばらくすると父親とキルサーノフが言ったように男が性格に問題を抱えていることに気づき結婚するという考えを捨てて別れます。

このことでカテリーナはキルサーノフに感謝します。

 

その後数年経ち、カテリーナは父との取引で工場を経営することになるアメリカ人のビューモントと知り合い恋に落ちます。

ビューモントは自分も工場経営をしたいというカテリーナにペテルブルグにあるキルサーノヴァ夫人が経営している工場を見に行くように勧めます。

それを聞いてカテリーナはキルサーノフが結婚していることを知り、すぐに工場を視察しにいきます。

カテリーナはヴェーラ・パーヴロヴナに工場や女工たちの宿舎を連れられ、システムの説明を受け感動します。

その後カテリーナとビューモントは結婚することになり、そのことをヴェーラ・パーヴロヴナに伝えると二人は意気投合し、カテリーナの夫婦とヴェーラの夫婦は郊外の隣り合った家に住むことになります。

 

その後カテリーナも自分の工場を持ち、そうして二組の夫婦は毎日一緒に夕を過ごし、幸せに暮らしましたとさ。

 

感想

この小説に関しては重要なことが多いんですけど、言いたいことがあるので先に感想を書きます。

 

とにかく僕はヴェーラ・パーヴロヴナが大嫌いです!

せっかくロプホーフが毒親から引き離してくれたのにそのロプホーフを裏切って浮気するなんてあり得ないです!

しかもよりによってロプホーフの親友のキルサーノフと!

この女は人間としての心を失ってます。

 

ヴェーラ・パーヴロヴナの家は別に金持ちじゃないし、受けてきた教育も普通のはずなので普通の家庭の娘と変わらないはずなのに、ちょっと周りに医学生とか賢い人が多いからって自分まで賢い人間だと思い込んでいるのも気にくわないです。

知り合っても絶対仲良くなれないし仲良くなりたいとも思わないですよ。

僕はこんな貧乏人より「エフゲニー・オネーギン」のタチヤーナみたいな地方の令嬢が好きです。

 

まあ夫の親友と不倫して夫を自殺に追い込むという筋は、不倫小説としては悪くはないです。トルストイの小説だと浮気した方が殺されたり自殺することが多いですが、今回の浮気された側が偽装自殺するというのは新しいと思います笑

もしかしたら一般的な不倫の終わり方に反論しているのかもしれません。

ただこの作者の書き方も気にくわない点が多いです。書かれている思想がすごくても文学作品としての評価が低い理由が何となく伝わってきました。

 

そもそもヴェーラ・パーヴロヴナはなぜ浮気したのか

ヴェーラの心の移り変わりはあまり描かれてないんですけど、作中では二人の性格の不一致が原因だと述べられています。

結婚した時まだヴェーラは19歳と若くて年上の賢いロプホーフを尊敬していたのでロプホーフに合わせようとしていましたが、何年か経ちヴェーラも人間として成熟することで二人の性格の不一致が露わになったということでしょう。

まあこれはよくあることです。最初は好きだから合わせられるけどいずれそれができなくなった時自分たちが合わないことに気づくのです。

 

それから二人は最初はあらすじで書いた通り三つの部屋を使っていましたが「ヴェーラ・パーヴロヴナ第3の夢」以降は二人は同じ部屋に住むんですけど、それもよくなかったんじゃないかと僕は思います。

実際その後ヴェーラはキルサーノフと結婚した後また三つの部屋に戻しています。

この家のルールの話は他にもいろいろあるのでそのうち全部ちゃんと考えてみます。

特徴・文学史上の意義

この作品の大きな主題は理想の生活と女性の解放です。

僕がこの作品に興味を持って読もうと思った理由は前者ですが、後者の方がインパクトが強かったです。

まずは、最初のヴェーラが置かれていた環境や5章のカテリーナの話から当時の娘の家庭での立場の弱さが窺えます。とはいえ家父長権が強いのはこの時代どの国でも同じことなのでこれはまだ弱いです。

 

次はヴェーラが経営していた裁縫工場です。

ここでは、働く全ての女工に正当な報酬が支払われるだけでなく、教育を受けることができ、必要なものを安く買うことができます。

余剰金は貯められてある従業員に臨時の資金が必要になった時(妊娠や事故など)支給できる保険のような制度もありました。

ここまでくれば19世紀半ばのロシアとしては新しいと言えるかもしれません。

 

次はヴェーラの夢です。

ヴェーラは作中ところどころで夢を見ます。それはロプホーフが自分を地下室から解放してくれることを暗示していたり、自分がロプホーフを愛していないことに気づかせてくれるなど重要な役割を果たしています。

なかでも女性の解放と直結している夢が 「ヴェーラ・パーヴロヴナ第4の夢」です。

この夢の中ではヴェーラの前に女神が現れ、ヴェーラに未来を見せてくれます。

そこでは女性は自由でみな幸せに暮らしています。

女神はその未来を実現するために女性を解放するために日々励んでいると言います。

これは女性の解放について直接言及しているで強い思想の暗示と言えるでしょう。

 

理想の生活の方は、さっきあらすじで書いた三つの部屋の話とか二組の夫婦の幸せな暮らしとかそんな感じでしょう。

 

チェルヌイシェフスキーについて

チェルヌイシェフスキーは日本で言う吉田松陰みたいな人らしいです。

ずっと投獄されてたけど、当時は革命思想を持った若者から支持されてて、その思想の影響は強かったとか、、

この作品も検閲に引っかからないように細心の注意が払われて思想が鏤められているそうです。

だから無駄な部分が多いとしか思えないめんどくさい書き方してるのかもしれませんね。

 

まあ読んでみて思想の強い作品だとは思いましたが、レーニンのような後の革命家たちがこの作品のどこに魅了されたのかはよくわかりませんでした笑

めんどくさかったので今回は調べませんでしたが、そのうちこの作品の与えた影響についても調べます。

 

とにかく僕はヴェーラ・パーヴロヴナが嫌いです(しつこい)

 

 

白石聖を推してます